高知広域都市計画における市街化調整区域の見直し

高知広域都市計画における市街化調整区域の見直し

~区域設定の非効率を新築着工数から妄想する~

予算の制約も需要予測も環境アセスもなんもない妄想都市計画ばかりやっていると現実世界に帰ってこれなくなりそうなので、ちょっとだけまじめに都市計画を考えます。

そもそも市街化調整区域ってなんぞや?

日本中のほとんどの街が都市計画区域というものに含まれているといっていいでしょう。都市計画区域というものは名前のとおり、都市の計画の区域です(*^^)v。だいたいの街はその街の都市計画に基づいて道路なり工場なり、なんなりの施設なんかをつくっていきます。そして、その都市計画地域というものはおおざっぱに2種類に分けることができます。
  • 線引きされてるやつ:
家とかお店とか工場とか建てていいところと建てたらダメなところが決まっているような都市計画の地域、建てていい場所が「市街化区域」ダメな場所が「市街化調整区域」。
  • 線引きされてないやつ:
市街化区域とか市街化調整区域とか決められてない都市計画の地域。
高知県では
  • 線引きされてる都市計画区域
高知市、南国市、香美市、いの町
  • 線引きされてない都市計画区域
四万十市、香南市、土佐市、須崎市、安芸市などなど

 下の図(高知県の都市計画2018第2章、p.10)では、緑のところが「線引きされてる」、オレンジと青が「されてない」ところを表しています。オレンジと青の違いは今回、あまり関係ない気がするので見なかったことにしましょう。
ということで市街化調整区域というのは、家や店や工場を建てたくても、自由に建てることができない地域のことです。

なんで、市街化調整区域ってあるの?

 市街化調整区域がなく自由に家を建てれるようになった場合を考えてみます。田んぼの真ん中にぽつんと一軒家を建てられるようになったので、建てたとしましょう。竪穴住居なら電気電信・ガス・上下水道などのインフラは必要でないかもしれませんが、令和の時代ではたぶん必要なのではないかと思います。すると、その家一軒だけに田んぼの真ん中までインフラを引っ張て来なくてはならず、行政なんかにとってお金が余分にかかってしまいます。なので、人々は一定数まとまって、指定された場所(市街化区域)に住まなければなりません。
 また、市街化調整区域がないということは、自由に開発ができるということです。そうなると、みんな好き勝手に自分の好きな場所だけ、開発します。そうすると、もともとの畑や田んぼに虫食い状に家や店や工場ができてしまいます。こうなってしまうと、上に書いたような行政の負担が増えるだけでなく、もともと農業を営んでいた人たちにも迷惑がかかってきます。田んぼや畑で農業をするには水が必要です。水道水でまかなってもいいのでしょうが、普通は用水路から水をとるのではないでしょうか。しかし、家や店や工場が田んぼのまわりにぽつぽつとあると、既存の用水路の水の流れも変わってしまうかもしれませんし、生活排水が流れ込むかもしれません。また虫食い状にぽつぽつ家や店があるような道をトラクターで移動するのは大変でしょう。住宅や店舗の人にとっても、田んぼや畑で発生する虫や肥料の香り、トラクターの落とした泥というものは嫌がられるのではないでしょうか。また用水路というものは夜になるとときどき酔っ払いのチャリンコやじいさんばあさんを食べるので危険ですね。
 このように、住宅や店や工場と田んぼや畑がまとまりなく、ぐちゃぐちゃと一緒のところにあるというのはよろしくないことなのです。そのため、人が住んで働いて物を買う場所を市街化区域と指定して、農業なんかを営む場所を市街化調整区域に指定されており、分けないと非効率な行政サービス、住環境になってしまうのであーるのです。

本当に非効率か??

 人が生活する場所(市街化区域)と農業なんかの場所(市街化調整区域)を分けないと非効率な街づくりになってしまうということが分かった気がするので、次にその非効率についてもう少し考えていきます。
 さっきから、バラバラにおうちやらなんやらを建てると非効率だと言ってきましたが、本当に非効率なのはそれだけでしょーかね。上で書いたようにバラバラに建てられると非効率ということは普通に妄想できますが、自由に好きなところに建てられないというのは、そのぶんだけ、そこの自治体の人口が増えることやお店が増えることを縛っていることになります。これは、行政の偉い人が市街化調整の範囲の設定を間違ってしまったときに発生していると考えられます。市街化調整を設定せず、ほっといたら本来なら発生しなかったであろう不利益ということです。友達のスミス君に聞くと「ほっといたほうがいいよー」と言っていましたし、もしかしたら市街化調整なんかせずに、自由に家や工場を好きな場所に建てさせるのが良いのかもしれません。
 以上より、都市計画において市街化調整区域を設定を考えるときには2つの非効率性を考える必要があるということが分かります。

  • 市街化調整を設定しないことにより発生する、インフラ整備や住宅・工場・農地混在による非効率性
  • 市街化調整を設定することにより発生する、自由にできないことによる非効率
この2つのバランスを考え、市街化調整区域を設定したほうが良い場所とそうでない場所がでてくることになります。しかしながら、この2つのバランスを考えるには、脳みそがスーパーコンピューター以上にすばらしくなければならないほどややこしいことがいっぱいあります。
 ということは、現状の市街化調整区域の設定は間違っているかもしれないということがいえるかもしれません。ということで、現状よりもさらによりよくなるような、市街化調整区域を勝手に妄想でつくっていきたいなーと思います。
 そこで、このバランスを考えるうえで、なんかいいものがないのかなーということで、考えた結果、このお話の題材のように「新築着工数」というものを使うことにしました。


以下 書きかけ


本題の新築着工数について

 「新築着工」とは、新築の着工のことです(*^^)v。「夢のマイホームを建てる」といったイメージです。ということは、おうちを建てるのだから、人口の多い市町村で多くなって、人が少ない市町村では少なくなるということが想像されます。では、高知県の市で、人口と新築着工数にどれくらい関係があるのかみていきたいです。

(データはエクセルで)


非効率が発生しているのでは??

 「土佐市や香南市では人口規模以上に新築着工が多くない?」という疑問がでてくるのではないでしょうか。なぜ、多いのか考えていきます。まずこの2つの市はともに市街化調整区域がありません。そのため自由に家が建てられるため多いのでしょうか?でも、土佐市や香南市以外にも安芸市や須崎市、宿毛市、土佐清水市なども市街化調整区域は設定されておらず、自由に家を建てることができるにもかかわらず、人口比でみても多くありません。
 では土地が少なく家が建てづらい高知市に近いから、高知市からあふれ出た人たちが家を建てるため多いのでしょうか?でも、高知市に近い南国市や香美市と比べると


市街化調整区域がないことに加え、他市町の市街化調整区域に隣接しています。ようするに、市街化調整区域に隣接した自由な土地という


ここには、問題があります。本当は通勤通学を考えると高知市に住みたかったのだが、住めない人たちが香南市、土佐市に住んでいるとすると、それはよろしい状態なのでしょうか。


ここで、通勤通学の発着地の市町村間交通トリップをみてみましょ。


まぁ、津波被害のない場所への引っ越し、交通の便なんかも関係するでしょうが、今回は見なかったことにします。


香川県の事例
香川県では、市街化調整区域は撤廃されました。撤廃の理由は{}によると

でした。これからも、市街化調整区域の外側ではいろいろと
また、立地適正化計画といものがだされ

 撤廃するなら撤廃する、しないならしないで、香美市・土佐市は高知広域都市計画区域に組み入れるなどの策を講じたほうがいいんじゃないでしょうかね。高知広域都市計画に組み込まれている南国市なんかは、議事録で「市街化調整のない香南市がうらやましぃー(発言内容を要約)」とかいって独立の動きも見られます。これは、隣の香南市に比べ裁量が小さく不公平感があるということなので、香南市も組み入れたらよいのではないでしょうか。
 個人的には高知広域都市計画区域を香南市・土佐市に拡大するほうが良いと思ってます。現実世界の話はややこしや~なので妄想の世界に帰ります。

 次回、さらに、市街化調整区域を正しく設定するため、DID地域の外側1,3,5,7,10kmに線を引いて、道路条件と市街化圧力などをまとめていきたいです。そのなかで、今回は触らなかった、比較的高知市に近い、日高村になぜ市街化圧力がないのかなども考えていきたいと思います。そこでは、物理要因である山や川などにも触れていきます。




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