「紀淡海峡大橋 豊予海峡大橋 南海自動車道 四国新幹線」の早期事業化・早期整備①

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通過交通ゼロ県・高知

 高知県は通過交通がほぼゼロの県です。通過交通とは、ある目的地間を移動する車によって、当該地域を目的としない車による通過によって発生する交通のことです。例えば、東京大阪間を車で移動する際の静岡や愛知や京都などや、京都高知間の移動の際の徳島や愛媛が該当します。

 ここで、通過交通が発生していなさそうな県をピックアップしていきましょう。北から順に北海道、青森、秋田、和歌山、島根、長崎、宮崎、鹿児島、沖縄などが思い浮かぶでしょうか。ここで、北海道、沖縄は道路交通によって全国網とは断絶されていることから除外します。また、ここから他府県へ向かう高速道路がある県を除外します。すると秋田は、青森へ向かう東北自動車道が鹿角を通過すること及び7号線による通過交通が発生するため除外になります。島根は中国道が吉賀町を通過し、九州方面のトラックが9号線を通過しています。宮崎はえびので九州道が通過するため除外します。すると残るのは、青森、和歌山、長崎、鹿児島だけになります。また、青森は八戸付近、和歌山は和歌山市から橋本市にかけての紀の川流域地域、宮崎と鹿児島は都城付近で他府県と密接な商圏を持っています。長崎は、長崎市と佐世保市を最短で行く場合、佐賀の嬉野を通らなければいけません。また、青森・長崎・鹿児島は新幹線があります。こう考えると、他県から完全に交通が断絶されている「通過交通ゼロ県」は高知県だけということになります。

 通過交通が発生しない県(以下、狭義的な意味の、他府県と密接な商圏を共有している府県を除いた府県の)は、通過交通が発生しないため、工場の立地や他府県にまたがる企業の本社や営業所、行政の本所や出先機関、大学の設置されづらいといった不利益や通過交通による県をまたぐ交通がないため県末端部の国による道路・鉄道整備の遅れも考えられます。また、通過交通者による飲食代が地域に落ちるという経済的な効果もありません。さらには、通過交通者の需要により県末端部にコンビニや飲食店があるということは、その地域では本来需要不足で成り立たなかった店舗経営の必要需要数を通過交通者が押し上げることで、本来甘受できなかった利便性も受け取れる可能性があります。また、それにより、店舗による雇用者増により、定住人口の増加も考えられ、経済的な良い影響があることでしょう。もちろん、通過交通が増えることで、交通事故の増加などの悪影響も考えられます。ちなみに高知県は通過交通がゼロにも関わらず、人口あたりの交通死亡者数が全国トップクラスなので不思議ですな。仮に日本全国の運転者の技術レベルを同一とすると、人口が少なく通過交通の多い福井県や山梨県がトップに来るはずですがどうもそうなっていないのは、運転者の技術レベルが都道府県によってばらつきがあるあらでしょうか、しらんけど。

 そんな高知県も初期の全総では、四国の高速道路はX字ではなくS字計画だったため、松山徳島間の通過交通が得られる予定でしたが四国山地の防御パワーによってその夢は絶たれてしまいました。もし、そうなっていたら、現状の西条から川之江に立地している企業の一部は高知県にあったかもしれません。

南海自動車道

 前置きが長くなってしまいましたので本題に入ります。とりあえず高知県に通過交通を発生させなければならないので下図のように道路計画を立てます。下図のとおり主な部分は、「紀淡海峡大橋」「徳島高知道路」「高知八幡浜道路」「豊予海峡道路」の4部分から成り立っています。これを全部あわせて南海自動車道とします。これは、山陽地方に対抗できる地方を作ろうという意思や、東海地方や山陽地方といった地域名が浸透しているなか南海地方という歴史のある地域の呼び名が浸透していないことを踏まえていることと、大阪南部(泉州)・和歌山・淡路・徳島・高知・愛媛・大分で一体感を持って開発しようという志の現れです。


詳しい区間ごとの紹介は続きます。今回はここまで。

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